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加藤シゲアキ、直木賞候補選出は「驚がくです」 周囲の反応でことの大きさ実感 - ORICON NEWS

 人気グループ・NEWS加藤シゲアキ(33)が11月19日に発売した長編小説『オルタネート』(新潮社)が、「第164回直木三十五賞」の候補作品に選出されたことを受け、都内で会見を開催。加藤は「びっくりしました。驚がくです」と最初の感想を語り「いつも全力でやってきたので、運が良かったと受け止めるようにします」と冷静な面持ちでいまの心境を打ち明けた。

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 本作の舞台は、高校生限定のマッチングアプリ「オルタネート」が必須のウェブサービスとなった現代。調理部部長で品行方正、しかし、あるトラウマから人付き合いにコンプレックスを抱える蓉(いるる)。母との軋轢(あつれき)を機に、絶対真実の愛を求め続けるオルタネート信奉者の凪津(なづ)。高校を中退し、かつてのバンド仲間の存在を求めて大阪から単身上京した尚志(なおし)。出会いと別れ、葛藤と挫折、そして苦悩の末、やがて訪れる「運命」の日。3人の未来が、人生が、加速する――。悩み、傷つきながら、〈私たち〉が「世界との距離をつかむまで」を端正かつエモーショナルに描かれている。

 候補選出の話が届いたのは、新型コロナウイルスに感染した後、2回目の陰性が出たタイミングだったといい「いまいち信じられませんでした。コロナにかかってしまい、外出できない期間で仕事の目処もまだ立っておらずで。それでも、(新型コロナ)にかかってしまった迷惑で気落ちしていた部分があったので、高低差ありすぎて『キーン』とするような感じでした」と振り返った。

 直木賞のイメージについて「広く愛される娯楽小説、かつ社会的な目線も含まれている印象があります。憧れのひとつの賞ではあるんですけど、弊社の人間の喜び方が異常で(笑)。きょうも発売イベントよりも、多くの報道陣の方に来てくださっているので、これが直木賞の力か…」と、周囲の反応でことの大きさを実感していた。

 メンバーの小山慶一郎と増田貴久には「自分で言うのは恥ずかしい」とマネージャーを通して報告し「マネージャーさんによると、増田は『僕は本を読まないからよくわからないんですけど、すごいことなんですよね?』と(笑)。小山は『すごいね』と喜びを噛み締めてくれたと聞いています」と2人の反応を明かした。

 また、作品に登場するドラマーは、関ジャニ∞の丸山隆平に取材して着想を得たことを刊行記念トークイベントで語っていた加藤。「(丸山が)5冊買おうとしたらひとり1冊までと言われたそうで、買えなかったと言われたまま話が終わっているので、公になったタイミングでお礼も言いたいと思います」と協力に感謝していた。

 「第164回芥川賞・直木賞」の選考会は来年1月20日午後3時から、東京・築地「新喜楽」で行われる。

■第164回直木三十五賞 候補作(出版社)※作者五十音順・敬称略
芦沢央『汚れた手をそこで拭かない』(文藝春秋)
伊与原新『八月の銀の雪』(新潮社)
加藤シゲアキ『オルタネート』(新潮社)
西條奈加『心淋し川』(集英社)
坂上泉『インビジブル』(文藝春秋)
長浦京『アンダードッグス』(KADOKAWA)

■第164回芥川龍之介賞 候補作(掲載誌)
宇佐美りん『推し、燃ゆ』(文藝秋季号)
尾崎世界観『母影』(新潮十二月号)
木崎みつ子『コンジュジ』(すばる十一月号)
砂川文次『小隊』(文學界九月号)
乗代雄介『旅する練習』(群像十二月号)

■選考委員
【直木賞】浅田次郎、伊集院静、角田光代、北方謙三、桐野夏生、高村薫、林真理子、三浦しをん、宮部みゆき
【芥川賞】小川洋子、奥泉光、川上弘美、島田雅彦、平野啓一郎、堀江敏幸、松浦寿輝、山田詠美、吉田修一
※五十音順・敬称略

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