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映画「鬼滅の刃」記録的ヒット 興行収入 公開3日間で46億円超 - NHK NEWS WEB

映画「鬼滅の刃」記録的ヒット 興行収入 公開3日間で46億円超

人気漫画が原作のアニメーション映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が、10月16日の公開初日からの3日間で342万人の観客を集め、46億円を超える記録的な興行収入となりました。

人気漫画「鬼滅の刃」を原作にした「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」は、大正時代の日本を舞台に主人公が敵の鬼たちと戦いを繰り広げる物語で、去年放送されたテレビアニメの続きが描かれています。

映画は10月16日に公開され、配給する東宝によりますと18日までの3日間で観客動員数は342万人に上り、興行収入はおよそ46億2311万円となりました。

このうち16日の興行収入はおよそ12億6872万円で、東宝と、映画の記録をまとめている興行通信社によりますと2014年に公開された「映画 妖怪ウォッチ誕生の秘密だニャン!」のおよそ8億7411万円を大幅に上回り、公開初日の興行収入の過去最高を更新しました。

また、土曜日の17日と日曜日の18日の興行収入は合わせておよそ33億5439万円で同じく「妖怪ウォッチ」のおよそ16億2944万円を2倍以上、上回り、土日の興行収入の過去最高を記録したということです。

東宝は「これからの興行でも幅広い層の皆様に作品を届け、一人でも多くの方に作品を楽しんで頂ける様に興行を続けて参ります」とコメントしています。

「鬼滅の刃」とは

「鬼滅の刃」は2016年からことし5月まで『週刊少年ジャンプ』で掲載されていた吾峠呼世晴さんの連載マンガです。

大正時代の日本を舞台に、鬼に家族を殺された主人公の竈門炭治郎が、鬼になってしまった妹を人間に戻すために戦いの旅に出る物語で、魅力的なキャラクターたちが繰り広げるテンポのよいバトルシーンや兄と妹の絆を軸にした重厚感のあるストーリーが特徴です。

去年の4月から9月にかけてテレビアニメが放送され、その続きとなる劇場版は、修業を終えた炭治郎たちが「無限列車」と呼ばれる列車を舞台に、鬼たちに立ち向かうストーリーです。

アニメ化によってさらに人気が出てコミックスの発行部数が増加し、現在、発売されている22巻までの累計発行部数は1億部を突破していて、ことし12月には最終巻となる23巻が発売される予定です。

新宿の映画館 平日も大勢の人

東京 新宿区の映画館では平日も劇場版「鬼滅の刃」を見ようと大勢の人たちが訪れていました。

新宿にある映画館の中には複数のスクリーンを使って鬼滅の刃を上映しているところもあり、多くの回は満席やそれに近い状況となっています。

これから映画を見るという18歳の女性は「なかなかチケットが取れず、やっと予約ができました。鬼滅の刃はキャラクターがかっこよく映像もきれいで、初めてアニメにはまりました」と話していました。

映画を見終わった28歳の男性は「とてもおもしろかったです。それぞれのキャラクターに人情があるだけでなく風景や戦闘シーンの描写がとてもきれいなところが魅力だと思います」と話していました。

店舗では特設コーナーも

書店などでは特設コーナーを設けてコミックスや関連商品を大々的に販売しています。

渋谷駅前にあるコミックスやCDなどを販売する店舗では10あるフロアのうち半分の5つのフロアに鬼滅の刃の特設コーナーが設けられています。

アニメの原作となったコミックスは10月の売り上げが9月より3.5倍に増えているということです。

また、ファンからのメッセージを集めたコーナーもあり「連載ありがとうございました」「心底だいすきです」などと書き込まれていました。

「SHIBUYA TSUTAYA」コミックフロア責任者の岩元渉さんは「コミックスは若い女性に特に人気がありますが、小学生や年配の方まで幅広い層に購入していただいています。10月上旬から売り上げがさらに伸びていてアニメの効果が大きいと思います。コミックスは12月に最終巻が発売されるのでそれに向けて一層盛り上げていきたい」と話していました。

専門家「きずな描き 幅広い世代から共感」

劇場版「鬼滅の刃」が記録的なヒットとなった理由について、アニメーション文化を研究する明治大学大学院の氷川竜介特任教授は「小学生からブームに火がつき親たちも新型コロナウイルスの感染拡大の影響で在宅時間が増える中、子どもが買った単行本を読んでアニメを見た。また、作品の舞台となっている大正時代は祖父母の世代にとってもそれほど遠くない時代で懐かしさもある。このように幅広い世代に認知されていた中で映画が公開され大きなヒットにつながった」と話します。

そのうえで「作中では『しっかり正しく生きろ』と当たり前のことを当たり前に語ってくれる大人たちが登場して子どもたちの憧れとなり、家族を中心とした人と人とのきずなを描いて幅広い世代から共感を得た。久しくなかった直球勝負のエンターテインメントで、まさに今必要とされている物語だった」と話しています。

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