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壮大だった水島新司氏の構成力と実行力 数多く現実になった構想、残る夢は… - スポーツナビ - スポーツナビ

 水島が秋田書店から「甲子園を舞台にした野球漫画を描いて欲しい」と依頼を受けたのは、小学館『週刊少年サンデー』で『男どアホウ甲子園』を連載していたときのこと。同じ週刊少年誌での“裏かぶり”対策としてあえて柔道部編を描いたことを、後年、水島自身が語っている。

《どちらも週刊誌だし、同じ高校野球漫画を描けば、必ずどちらかに思い入れが強くなるからと、断ったんです。一年待ってくれれば『男どアホウ』が終わるから、それから始めたい、と。でも、どうしてもやって欲しいということで、スタートしたのが『ドカベン』なんです。ですから、『ドカベン』の初めの一年は野球ではなく柔道漫画になっていて、しかも中学三年生という設定です》
(『月刊本の窓』1995年5月号、水島新司インタビューより)

 水島野球漫画の主人公たちが夏の甲子園で対決する代表作『大甲子園』も単なる思いつきではなく、野球漫画を描き始めたときから構想を温めたもの。この「壮大な構成力」と強引にでも実現させる「実行力」こそ、水島漫画の魅力を生み出す大きな要素だった。

《ひとつ計算してやったのは、いろんな出版社に描いている高校野球漫画の、高校3年の夏だけは全部残したこと。(中略)この連中を一堂に会させて、夏の大会を描きたかったから。(中略)ただし『一球さん』、『球道くん』、『ドカベン』。出版社がまたがってる。ぼくは『ドカベン』でやりたいわけだから、秋田書店で『大甲子園』をやった。その話を持っていって果たしてOKしてくれるかどうかは不安だった。でも幸い、すんなり OKしてくれましたがね。マンガ界では画期的なことだった》(伊集院光著『球漫』より、水島新司の言葉)

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