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坂本龍一さんが生前投げかけていた大物芸能人への疑問。90年代にはCDプロデュースしたが | 女子SPA! - 女子SPA!

 3月28日に坂本龍一さんが亡くなりました。訃報を受けて、坂本プロデュースのラップユニット「GEISHA GIRLS」でコラボしたダウンタウンの松本人志も4月3日に自身のツイッターアカウントで追悼。 <坂本龍一さん。たくさんの楽しい思い出をありがとうございました>と故人を偲びました。
GEISHA GIRLS 「GEISHA Remix GIRLS」フォーライフ ミュージックエンタテイメント

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 両者の交流は音楽にとどまりません。『ダウンタウンのごっつええ感じ』のコント・アホアホマンでは、坂本さんが松本人志といっしょに前にシミのついた白ブリーフで登場しお茶の間をあっと言わせたのです。  こうして90年代のサブカルチャーを盛り上げた両者。しかし、その後ダウンタウンに対して坂本さんが疑問を投げかけた言葉がいまクローズアップされています。

坂本龍一氏が2001年刊行の対談本で語っていた「ダウンタウン理論」

『永遠の仔』のベストセラーで知られる作家の天童荒太氏との対談本『少年とアフリカ 音楽と物語、いのちと暴力をめぐる対話』(文藝春秋刊 2001年)での、2000年代前半の殺伐としていた日本社会の空気に関するやり取りです。
坂本龍一 天童荒太『少年とアフリカ 音楽と物語、いのちと暴力をめぐる対話』文藝春秋

坂本龍一 天童荒太『少年とアフリカ 音楽と物語、いのちと暴力をめぐる対話』文藝春秋

 まず天童氏が、電車内で少し肩がぶつかっただけで暴力沙汰に発展しそうな“秩序の崩壊”を指摘。この感覚を共有していた坂本氏が、理由のひとつとして挙げたのがダウンタウンなのです。 <僕には、ダウンタウン理論というのがあるんですよ。(中略)ダウンタウン前とダウンタウン後で日本人の心は大きく変わった。>(『少年とアフリカ 音楽と物語、いのちと暴力をめぐる対話』p.117より。以下山カッコは同書より引用)

松本人志がすごい才能で示した日本社会のあり方とは

 では、日本社会を様変(さまが)わりさせてしまったダウンタウンの異質さとは何なのでしょうか?坂本氏はこう続けます。 <挑発すべきものがなにもないところでやってるから、パフォーマンスとしての反抗にならざるを得ない。ここ二、三年のダウンタウンの芸って、年下の芸人をいたぶってるだけで、一言で言うと、「どんくさいやつをいじめてなにが悪いの」ってことでしょ。>(p.118) <結局、子どもたちはみんなダウンタウンをやっている。だって、いまのいじめとか少年犯罪のパターンって、ほんとダウンタウンそのままじゃない? 松本人志はあのすごい才能で、そういう社会を啓示したんだよ。>(p.119)
 あざ笑うべき権威があったビートたけしらの時代とは異なり、権威がなくなり、その結果、乱暴に悪態をつくことが形骸化(けいがいか。中身がなくなったこと)してしまった現代の負の側面としてダウンタウンの笑い。  こうした価値観が刷り込まれると、<「いじめてなにが悪い」から「人を殺してなにが悪い」に行き着くのは早い。>(p.120)と考えるから、坂本氏は危惧(きぐ)を抱いていたのです。

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