道枝駿佑 

道枝駿佑 画/彩賀ゆう (C)まいじつ 

北海道・知床で起きた遊覧船沈没の痛ましい事故を理由に、最新エピソードが過去シリーズに差し替えられた5月1日放送のドラマ『金田一少年の事件簿』(日本テレビ系)。このエピソードのチョイスが、ネット上でにわかに話題になった。

同放送は当初、現在放送中の道枝駿佑主演「金田一」最新エピソード『聖恋島殺人事件』が予定されていた。しかし、海に囲まれた孤島で殺人が起きるというシチュエーションが知床の事故を連想させるとして、日本テレビは放送を1週延期することを自主的に決定。穴埋めとして放送されたのは、『KinKi Kids』堂本剛主演で1996年に放送された「金田一」シリーズ第2期1話『悪魔組曲殺人事件』だった。

同事件の舞台は作曲家・御堂周一郎の別荘で、御堂が生前にしたためた「悪魔組曲」になぞらえて人が死んでいくストーリー。1人目は階段からダイナミックに落下して死亡し、その後は胸に矢を放って殺害、犯人の自作自演により斧で襲われるといった事件が発生していく。

「堂本版の『金田一』は首を刈り取る、死体をバラバラにする、槍で壁に突き刺すといった残酷な殺害方法が多いのですが、同事件はこれらに比べるといずれもあっさりとした殺され方。大量の血が吹き出すようなシーンもありませんし、シリーズでも〝地味〟だとファンから指摘されているほどのエピソードです」(ドラマレビュアー)

22時台に流せる限界のエピソードだった?

ネット上で話題になったのはこの点。視聴者の多くは、堂本版でも比較的グロテスクな描写の少ない「悪魔組曲」が、現代でもゴールデン・プライム帯に放送可能だとして選ばれたと感じたようだ。ネット上には、

《堂本金田一の中じゃ割とグロ描写少なめな話だから放送出来たのはありそう》
《悪魔組曲は金田一少年の事件簿の中でも結構平和な描写が多くてグロシーンも無いから(カット編集有りとはいえ)放送できたってことかな?》
《それにしてもなぜ悪魔組曲なんだろう…1話完結の話を選ぶにしても他にあったのでは?と思う、地味な話だよね…》
《悪魔組曲は比較的怖さもグロさもマイルドなほうなんだよね》
《他に好きな話いっぱいあるけどグロさとか考えると今するのは難しいか》

など、局側の思惑を察する意見が相次いだのだった。

「この指摘は合っていると思います。今回のチョイスで、やはり堂本版『金田一』の多くは現代の放送コードに適合しないシーンが多く、4月までのように深夜にしか再放送できないことが明らかになったと言えるでしょう。放送当時はまだ緩い時代でしたから、ナイフで滅多刺しされて口から血を吐く、頭にナタを振り下ろして血が吹き出す、猟銃を咥えて自殺するなど、今では放送できないようなシーンの連続でしたからね」(『金田一』ファン)

過激さもウリだった『金田一』だけに、マイルドになっていくリメークはファンも残念だろう。

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