シネマテーク、７月にも閉館へ名古屋・今池でミニシアター文化をけん引：中日新聞Web - 中日新聞

「このシアターは自分の人生そのものです」と話す名古屋シネマテークの倉本徹代表＝１１日、名古屋市千種区で

　名古屋のミニシアター文化をけん引してきた名古屋シネマテーク（名古屋市千種区）が、７月２８日で閉館することになった。収益の減少が原因で、すでに約５００人の会員や配給会社などに文書で通知した。

　１９８２年６月にオープン。１スクリーン４０席と小規模ながら、社会に訴えかける良作を選び上映することで映画ファンに長く支持されてきた。東海テレビ製作のドキュメンタリー映画「人生フルーツ」（２０１７年）では１万人以上を動員。コロナ禍では、有志の支援活動「名古屋シネマテーク・エイド」などで１０００万円近くを集めた。

　ただ、経営は当初から苦しく、会計報告のある８８年以降ほぼ赤字。慢性的な経営難を立て直せなかった。倉本徹代表（７７）は、業界全体の課題である若者の映画館離れに加え、同劇場の狭さやバリアフリー対応のなさなどから、シニア層も足が遠のいたとみる。

　前身で、７０年代から同市内で活動を続けた自主上映グループ「ナゴヤシネアスト」を立ち上げた倉本代表。「それから５０年、関わってきた。寂しさもあるが、今は肩の荷が下りた思いが強い」と話した。

　閉館の約１カ月前からは「お別れ上映」と銘打ち「ゆきゆきて、神軍」や「...

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