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『マッドマックス :フュリオサ』が、生成AIではない“本物のアクション”にこだわる理由 - GIZMODO JAPAN

日本では5月31日(金)劇場公開の映画マッドマックス:フュリオサ』。世界崩壊から45年後を舞台に、人生のすべてを奪ったディメンタス将軍への復讐を誓う若きフュリオサの物語が展開されています。これが『マッドマックス 怒りのデスロード』を初めて劇場で見たときと同じくらい興奮してしまって、アクションシーンも含め最初から最後までたっぷり楽しむことができました。

「マッドマックス」シリーズといえば、激しいカーチェイスや個性豊かな登場人物、砂漠を舞台としたMADな世界観が特徴です。そして何より、ド派手なアクションシーンがすごい。

最近では生成AIを用いた映像製作に取り組むクリエイターも数多く存在しますが、本作はどこまでのアクションシーンが本物なのか。AI技術は本編に活用されているのか。ジョージ・ミラー監督と長年映画製作に取り組んできたダグ・ミッチェルプロデューサーにお話を伺ってきました。

【GIZMODOさま】『マッドマックス:フュリオサ』ダグ・ミッチェルプロデューサー
ダグ・ミッチェル氏

──前作から約9年ぶりの新作『マッドマックス:フュリオサ』の本編を一足先に見させていただいた印象としては、おそらく多くのシーンが実際に撮影されたものだと感じました。エンドロールにもあった「AIチーム」がどういう形で技術として活用されたのか、教えてください。

ダグ・ミッチェル氏: 良い質問ですね。私もジョージ・ミラー監督も新しい技術をどんどん取り入れていく必要があることは分かっています。さもなければ、恐竜のように絶滅してしまいますからね。しかし、本作のアクションは全て本物です。(危険が伴うシーンではスタントマンを使っています)

AIなどのツールは、オーストラリアや南アフリカはナミビアのナミブ砂漠で実際に撮影した映像をどのように美しく見せるか、ということで使用しています。ジョージ・ミラー監督は、空や影などの色も含めて、とても美に対してこだわる方です。彼の頭の中のアイデアを実現させるためのツールとして、そのシーンに適した雰囲気を出すために音を加える技術を使うことはあります。しかし、人工的にいちから何か作り出したものを背景に使っているわけではありません

前作と同じくらい、またはそれ以上に激しいアクションシーンが本作では何度も登場するのですが、まさかすべてのアクションシーンが本物だったとは…。

また、今回の作品で個人的に最も刺さったのがクリス・ヘムズワース演じるディメンタス将軍の圧倒的存在感。マイティ・ソーのヒーロー役のイメージが強かっただけに、頭のネジが3本くらいぶっ飛んでるヤバい役柄が「マッドマックス」の世界観にハマり過ぎていて大満足でした。

サブ場面写真㈪_『マッドマックス:フュリオサ』
クリス・ヘムズワース氏演じるディメンタス将軍

ダグ・ミッチェル氏:本作でディメンタス将軍を演じたクリス・ヘムズワースさんは、これまで『マイティ・ソー』シリーズを含むさまざまなファンタジー映画に出演してきました。そんな彼が、監督の作り上げた世界観に没入し、これまで出演した作品の中で最も楽しんだと言ってくれました。

私もジョージ・ミラー監督も“本物”であるということにすごくこだわります。実際に、物体(モノ)が存在するリアルな世界で演技をしてもらったからこそ、クリスも役に入り込みやすかったんだと思います。

「マッドマックス」は長い歴史を持つ作品ですが、車や武器などのモノが実際にそこに存在して、それを道具として使う。この作品はそういう「リアルさ」にこだわって作っています。

「マッドマックス」シリーズがほかのアクション映画と明らかに違う点、それは一つ一つのシーンが恐ろしいほど生々しい映像であることだと思うのですが、製作陣がこれほど“本物"にこだわっているからこそ、我々観客はジョージ・ミラー監督が創り出した物語にグッと引き込まれるのだと改めて感じました。

グリーンバックや巨大LEDスクリーンなどに囲まれた環境ではなく、本物の砂漠で撮影し、車やバイクも本当に走らせたからこそ、役者たちは作品の世界観により一層没入することができる。本物であることが視聴者だけでなく、演者にも影響するということは、非常に興味深いです。

サブ場面写真㈬_『マッドマックス:フュリオサ』
©2024 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.©2024 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

ダグ・ミッチェル氏:マッドマックスのような映画を作るのって本当に複雑なことなのです。本作は何千人という人々が、何千マイルと距離が離れた場所で撮影する必要があったため、安全性にも十分配慮しました。

この作品には非常に多くの役者・スタッフが製作に関わっていますが、これほどスケールが大きい作品となると、まるでオーケストラを指揮するのと同じくらい正確かつ複雑なものをきちんと撮っていかないとすべてが無駄になってしまいます

そういったものすごいストレスを抱えながらも、最終的にはこれが1つの作品として完成しました。スケールの大きさと製作に関わっている人の多さ、そしてその複雑さはぜひみなさんにわかっていただきたいと思います

『マッドマックス:フュリオサ』は『マッドマックス 怒りのデスロード』 に繋がる作品ですが、これまで1度も「マッドマックス」シリーズを見たことがない方でも問題なく楽しむことができます。激しく爽快なアクションシーンの連続に加え、文字通り狂ったマッドな世界観、そしてリアルさを追求した映像で構成されているこの超大作は、ぜひこの夏、劇場の大スクリーンで見てほしい。

ちなみに原題は『Furiosa: A Mad Max Saga』のため、今後ほかの登場キャラクターに焦点を当てた作品が作られる可能性も十分あるはず…(?)。個人的には是非ともイモータン・ジョーの若き日の物語を見たいのですが果たして...。

本作は、5月31日(金)全国公開です。

(C) 2024 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.IMAX® is a registered trademark of IMAX Corporation.Dolby Cinema is a registered trademark of Dolby Laboratories.

Source: マッドマックス:フュリオサ

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